Team Hiramatsuひらまつの仕事と人

ひらまつを支える人たちの
チャレンジ

Deputy Manager

水迫さおり

“レストランひらまつ”の伝統を色濃く残しつつ
次なるグランメゾンとしてのあり方を模索する。

レストランひらまつ 博多は、株式会社ひらまつが運営するレストランの中で最も歴史あるレストランの一つと言える。博多の地にあって、23年の長きにわたり愛されてきただけに、その歴史には数多くのエピソードが隠されている。

この歴史あるレストランで副支配人として、お客様との接点の最前線で活躍しているのが、水迫さおりだ。
「研修等で店舗を離れることはありましたが、入社から約10年、この店で働いています。ちょっと珍しいかもしれませんね」。
それだけに、フロアで毎日多くのお客様に接し、お一人お一人のニーズにお応えする日々が続く。
「調理学校の出身だったのですが、面接に来た時にサービスの仕事の面白さを垣間見て、よし、サービスになろうと心を決め入社しました。先輩たちの仕事を見ながら覚えるという日々が続き、 お客様にも少しずつ名前を覚えてもらえるようになり、そこからますますこの仕事が好きになりました」。

朝、出社すぐにその日の営業用にスタンバイ、全体ミーティング。ランチ営業でのサービス業務、休憩してからディナーの準備。後輩へのレクチャーなどもしながら翌日の打ち合わせまでこなしている。まさに、レストランの業務のすべてを見届けているかのようだ。

「歴史があるだけに、長くお付き合いいただいているお客様が多いのも事実ですが、それだけでなくもっと多くの若い方々にもお越しいただきたいですね。そんなお客様との接客を通じて、新しい関係を作っていくのが楽しみです」。
歴史あるグランメゾンとしてのレストランに、接客を通じて新しい人との関係性を構築していく。サービスという仕事にコミュニケーションという流れを作ろうとしているかのようだ。

“桃のコンポート”がつなぐ、レストランとお客様の絆

「コロナの自粛期間は本当に大変で、もちろん私たちレストランだけでなく、お客様にとっても楽しみがなくなるという意味でも大変でした。そんな中、このレストランの昔からのお客様で、毎シーズン“桃のコンポート”を楽しみにしてくださっているご夫婦がいらっしゃるのですが、ご来店いただくことがなかなか難しい状況が続いていました。なんとかできないかと考え、特別にテイクアウトでお届けすることができました。本当に喜んでいただき、あぁこうやって美味しさが人をつなげるのだなと実感しました。自粛期間も一段落し、ご高齢のご夫婦がご来店いただけた時には本当に感激しました」。
こうやって小さなつながりをひとつひとつ紡ぎながら、レストランはただお客さまをお待ちするだけでなく、美味しさをコミュニケーションの一つとして外にも広げていくことができるのだということを実感したというのだ。レストランとお客様とのつながりはより多彩になっていくのではないだろうか。
この水迫の動きは、ここで働く若手たちにも多くの刺激を与えている。福岡・博多というローカルでよりしっかりとお客様とのつながりを強め、レストラン時間を少しずつ広げていけることだろう。

Epilogue


美食の地として多くのグルメたちの注目を集める街、博多。
この地にあってフランス料理の真髄を伝えるレストランとして歴史を持つ、レストランひらまつ 博多。女性ならではの細やかな接客と、お客様との絶妙の距離感。
彼女の美声(お聞かせできなくて残念)での接客を楽しみに訪れるお客様も多いことだろう。

TEXT: Y.Nag
PHOTO: S.Noguchi

軽く燻製をかけたハガツオ
柿と大根のサラダ
山葵のクレームとバルサミコのレデュクション

天然ヒラメのロースト セップ茸のクルート
洋葱とほうれん草のエチュベ
香ばしいブール・ノワゼットとジューソース

About the Deputy Manager

水迫さおり
Saori Mizusako
レストランひらまつ 博多 副支配人

鹿児島の調理師専門学校卒業後、2011年に入社。学生時代にはパティシエを目指していたが進路に悩んだ末、先生に薦められたひらまつを面接。その際に接客の面白さを感じサービス人として入社。以来、福岡をベースとしながら各地での研修も経て、地域に根づきつつ約3年前から副支配人として勤務。今年からお客様との窓口としてレストランの営業担当責任者、支配人のフォロー、調理場とブライダル、サービスを繋ぐ役割、婚礼メートル等、業務範囲は多岐に渡り、入社以来変わらずレストランひらまつ 博多に所属。「だからこそお店に対しての愛着は人一倍あり、今感じている強い想いとしては、長く愛されるレストランで在り続けたい」と語り、その為に自分ができることを模索中。