Team Hiramatsuひらまつの仕事と人

ひらまつを支える人たちの
チャレンジ

Service Staff

竹内 優奈

Service Staff

大広 結生

Pâtissier

田島 寛和

Pâtissier

徳田 大夢

札幌の静かなレストランでは若い力が胎動している

札幌市を象徴する緑豊かな円山公園。その緑に寄り添うように建つのが「オーベルジュ・ド・リル サッポロ」。アルザス本店のあるフランス北東部の民家を模した佇まいは、訪れる人々が旅した気分にまで浸ることができると言われるほどだ。

本店の掲げる地産地消の精神を受け継ぎ、ここでは北海道の豊かな素材を存分に生かした料理の数々が提供されている。四季が日本のどこよりもはっきりとしているこの地ならではの料理を、変わりゆく季節を感じられる邸宅で楽しむというのが、オーベルジュの名を冠したこのレストランの醍醐味。
料理と空間のしつらえ、その環境に加え行き届いたサービスも高い評価をえている。その中で、入社数年目の若いスタッフたちが彼ららしいサービスの姿を追求している。

「オーベルジュ・ド・リル サッポロ」外観

サービスの仕上げまでもフレッシュさを

ゆっくりと提供される料理の数々を締めくくるのが、チーズとデザート。それぞれを担当するのは若いスタッフたち。
「自分にサービススタッフとして何か特技を持ちたいと思い、チーズを勉強しようと考えました。北海道は畜産も盛んなのでそのメリットも活かしていきたいと思ったのがきっかけです」。
そう話すのは、C.P.A.(チーズプロフェッショナル協会認定の資格)を習得し、フランス産やヨーロッパのチーズから北海道のローカルチーズまで幅広くお客様にご案内することを、いま自らの強みへと昇華しようとしている竹内優奈。

「まだ入社2年目なのですが、少しでも会話のきっかけやお客様とのコミュニケーションを上手に取れるように色々とトライしています。特に食後のチーズのおすすめはお客さまの好みをお聞きしたり、逆におすすめを聞かれることも多くあるので、ワインとの相性も考えながらご提案することを心がけています」。

チーズを提供するサービススタッフ 竹内優奈

同じくサービス担当で3年目の大広結生は竹内にチーズ担当をバトンタッチし、今はワインをメインに勉強している。
「去年、支配人とともに余市のワイナリーに行きました。葡萄の収穫をお手伝いしたりしたのですが、ワインは奥が深く勉強は終わることがないと強く感じました。少しずつですが北海道のワインのラインナップを増やして、地元の食材との相性の良さなどを学びながら、お客様にも伝えていきたいと思います」。

ワインをおすすめするサービススタッフ 大広結生

大広は全国各地にあるひらまつのレストランでの研修も経験しているという。
「THE HIRAMATSU HOTELS & RESORTS 仙石原(ホテル)内のレストランや、オーベルジュ・ド・リル トーキョー(東京・六本木)にも行きました。それぞれサービスのスタイルが異なる中でも心地よさのレベルは変わらないと思いました。その経験をしたことで、どうやったら自分らしいサービスができるようになるかを常に考えるようになりました」。
チーズやワイン。そのものだけでなく、どうやってお客様との距離を縮め、行き届いたサービスになるかを考えること。まだまだスタートしたばかりの二人だが、今の勉強がどう個性へとつながっていくかを楽しみにしたい。

北海道ワインのコレクションも多数揃える

パティシエというコースの仕上げを担う若いチームがいること

「オーベルジュ・ド・リル サッポロ」のパティシエは若い男女のチーム。リードするのは3年目の女性パティシエ、田島寛和(かんな)。
「高校卒業と同時に入社したので、このチームの中では年下なのですが経験は先輩(笑)です。ただパティシエは徳田さんと2人でチームプレイのように仕事をするので、とてもスムーズです。そこにサービスの若い2人も加わって、4人でよく相談しあっています」。
このレストランを牽引するシェフ青木もパティシエの経験があり、そのことも大きなバックアップとなっていると言う。

調理場で相談するパティシエ田島寛和(右)と徳田大夢(左)

「最近は乳製品に興味があって、特に北海道という特性を活かして色々と勉強をしています。シェフから旬の食材のお話を伺って、料理の流れの中でどういうデザートメニューがいいかを相談したりします」。
ほぼ実地の経験がないところからスタートして、今やこのレストランではなくてはならない存在へと成長した田島。そんな彼女と兄弟のようなパートナーシップを組むのが、徳田大夢(ひろむ)だ。

デザート部門をリードする若きパティシエ田島寛和

お祝いプレートを描くパティシエ 徳田大夢

「常に田島さんと二人で相談し、青木シェフにもアドバイスをいただきながら日々奮闘しています」。
元々物作りが好きだったという徳田は夕張の出身。それだけに北海道素材にも思い入れが強い。「ルバーブを使おうと思ったり、ハスカップやハーブ類にも目を向けたいですね。それと何と言っても乳製品。北海道ですから」。
どこかしこに北海道という意識が根付いているのだろう。

徳田の描いたお祝いプレート

Epilogue


若いサービススタッフとパティシエのチームプレイ。この4人は一緒に旅行に行くほど仲がいいという。それぞれの学んでいる知識を共有したり、サービスはデザートを提供した際のお客様の反応を調理場のスタッフにこまめに伝えたり。
常日頃からのコミュニケーションを活かし、さらに彼らに足りない部分は先輩たちがフォローアップしていく。若手スタッフが伸び伸びと力を発揮できる環境がここにはある。

TEXT: Y.Nag
PHOTO: Kunieda