ひらまつの仕事と人
ひらまつを支える人たちの
チャレンジ
Chef Sommelier
西谷 良介
Sommelier
石井 真純
Sommelier
林 三夫
軽井沢・御代田ならではのワインの楽しみを発見する。
ソムリエたちの新たな挑戦が始まっている。
THE HIRAMATSU 軽井沢 御代田には7名のソムリエがいる。ホテル内のレストラン「Le Grand Lys(ル・グラン・リス)」のシェフ柳原と、「La Lumière Claire(ラ・ルミエール・クレール)」のシェフ前田が生み出す土地の力を存分に生かした料理の数々にフィットするワインのセレクションは彼らソムリエたちの腕の見せ所になる。
25年にわたり、長野エリアでソムリエとして数多くのワインを見てきた林。
「長野は年々ワインのクオリティが上がってきて、フランスワインと並べても遜色のない銘柄もたくさんあります。自分としては、できる限り生産者のところに出向き、自分の足で見つけてきたワインをお客さまに飲んでいただき、その声をまた生産者に返す。ソムリエの仕事はいわば、そのパイプ役だと考えています」。
ソムリエたちも積極的にワイナリーを訪問して、このホテルに滞在する人々の楽しみの一つになっているという。
「地産地消というのもこのホテルの一つの魅力になればと考えています。隣町の東御(とうみ)も元は養蚕が盛んな地域でしたが、新規に農業をやりたいという方々がワイン農家を始める傾向にありますね。それも皆さんナチュールワインを目指されたり、私たちとしてもそんな取り組みを応援したい気持ちもあります」。
西谷の言葉通り、宿泊する方からもワイナリー訪問の希望もあり、これから地元のワイナリーを紹介しつつワイン会も定期的に行う予定だという。
「地元のワインだけでなくフランスのワインもご用意しています。ただ、柳原シェフや前田シェフのお料理は地元の食材を多く使うということもあって、長野のワインをお勧めすることもよくあります。マンズワインさんやメルシャンさんが取り組むワインのクオリティも劇的に上がっています」。
長野のワインも積極的にお勧めする。そうすることでより深く地元とのつながりを感じていただけるのではと石井は考えているようだ。
“らしさ”を生かした料理とのマリアージュとは
シェフ柳原の料理の奥深さの一つに、フレンチの技法の中にさりげなく和のテクニックも取り入れていることにある。さらに料理には名水として名高い黒曜の水も使われるという。「地元のワインとの相性の良さはもちろんですが、長野は日本酒の名産地でもあります。その意味でもシェフと相談しながら、コースの中に日本酒のペアリングを取り入れることも試してみたいですね」。石井は新しい展開にも意欲的だ。
Epilogue
ソムリエたちとシェフ。フレンチとイタリアン。様々なマリアージュの可能性が生まれるホテルというゆっくりとした時間が流れる場所だからこその楽しみの発見があることだろう。
その楽しみが、宿泊を二泊三泊と伸ばしたくなる所以かもしれない。
TEXT: Y.Nag
PHOTO: Oriyama
About the Sommelier
西谷 良介
Ryosuke Nishiya
料飲支配人 シェフソムリエ
1999年、株式会社ひらまつ入社。2002年JSA認定ソムリエ取得。代官山ASOチェレステ(二子玉川/日本橋)のオープニングスタッフとして活躍。日本橋店では支配人としてレストラン運営に携わる。2006年より渡仏、フランス文化やワインの知見や造詣を深める。帰国後、各店でシェフソムリエとして勤務。2015年よりひらまつのホテル事業部に異動し、2020年からは御代田に着任。レストラン部門の責任者として多数のソムリエをはじめサービススタッフを束ねる。
シェフソムリエ西谷セレクトのワイン
2019年 Kerner(ケルナー)/VOTANO(ヴォタノワイナリー)
長野県塩尻市の洗馬(せば)の奈良井川沿いの畑でワイン用ぶどうの栽培をしているワイナリー<ヴォタノワイナリー>の赤ワイン。もともと建設系の仕事をしていたオーナーの坪田氏がジュラ紀の地層がある場所を探し塩尻市・洗馬にたどりつき、ワイン造りを始めたとのこと。イタリアで飲んだバローロに感動してワイン作りを始めただけに、少量ですがバローロに使われるブドウのネッビオーロも少し育てているこだわりある作り手だ。
石井 真純
Masumi Ishii
料飲副支配人 ソムリエ
株式会社ひらまつに19歳で入社後、「ブラッスリー ポール・ボキューズ銀座」勤務時代に、サービスの魅力に引き込まれ料理人からサービスへ転身しソムリエに。2021年より「THE HIRAMATSU 軽井沢 御代田」へ異動し料飲副支配人に就任、現在に至る。御代田着任後、日本のワインのクオリティの高さに驚きと感動を覚える。地元ワインを通して地域との更なる共存に夢中な日々を送っている。
ソムリエ石井セレクトのワイン
2014 SOLARIS マニフィカ / マンズワイン
マニフィカ=荘厳という意味の言葉を冠したワインで、良年にのみ造られるトップキュベ。フランスへの留学経験のある醸造チームが、ノウハウを結集して作り上げた1本で、ブラインドで飲んだら、フランスのワインかと思うほど、クオリティの高い日本ワインだ。約50年の歴史があるマンズワイン小諸ワイナリーさんはぶどう樹の樹齢の古さや長年培われてきた醸造学が素晴しく、まさしく信州ワインのパイオニアと言えよう。
林 三夫
Mitsuo Hayashi
ソムリエ
2021年(株)ひらまつ入社。18歳より様々なホテル、レストランでソムリエとして従事。主に軽井沢、東京、那須で修業を重ね、25年前より軽井沢の地を拠点に活動している。ソムリエ歴32年を経て、地元長野県のワインはもちろん世界中の素敵なワインをお客様にお届けしたいという熱い気持ちとともに、今なお日々精進している。
ソムリエ林セレクトのワイン
桔梗ヶ原メルロー / シャトーメルシャン
1976年からメルローの栽培を始めた、信州桔梗ヶ原地区。1985年のグレードヴィンテージ以来、日本ワインの品質の高さを世界に知らしめたと評価されている。ANA(全日空)国際線ファーストクラスの機内ワインに決定した事もあるワインで、繊細な中に厚みと力強さを持ち、華やかな香りが魅力となっている。