Team Hiramatsuひらまつの仕事と人

ひらまつを支える人たちの
チャレンジ

Chef

前田 祐介

人との豊かな出会いがひらまつにあるから
師の背中を見つつシェフになる

ひらまつのホテルブランドの一つ、「THE HIRAMATSU 軽井沢 御代田」の本館5階に誕生したイタリア料理の<La Lumière Claire(ラ・ルミエール・クレール)>。その料理長に就任したシェフ前田は、「リストランテASO」、「THE HIRAMATSU HOTELS & RESORTS 仙石原」で研鑽を積んだパスタの名手と呼ばれる逸材だ。
この日、シェフ前田の横に佇み優しくも厳しい視線を送るのは、ひらまつイタリア料理部門を牽引する吉越謙二郎だ。メニュー開発に参加し、弟子の独り立ちを見守っているのだろう。

「ホテルでのシェフの役割というのは、ここに泊まられるお客様の様々なニーズに応えられるようにならないといけないわけです。その点、前田シェフは箱根の仙石原でスーシェフとして私の右腕となって活躍してくれていました。その信頼がここでも活きてくると思います。そうだよね!(笑)」。
力強い師匠からのエールを受けたシェフ前田。

「吉越シェフから教わった、一つのお皿の中に驚きを生み出すというイメージを大事にしていきたいと思います。特にパスタに関しては厳しく教わった分、自信があります」。
この軽井沢・御代田の地で地元の食材を生かしつつ、ひらまつならではのイタリアンを生み出す。前田と吉越という師弟の信頼関係から生まれる一皿一皿は、奥深い味わいに満ちている。

シェフへの修行期間にいかに目標となる先輩に出会えるか。そこから何を見つけ自分のものにしていくのか。その過程にこそ厨房での日々の真髄がある。
「ひらまつという組織だからできることは本物のプロフェッショナルがいて、そのもとで経験を積めること。その中には料理だけでなく人間としての成長も含まれていると思います」。そう語る吉越。彼の元から巣立った多くのシェフたちのなかで今でも吉越を親しみを込めて“オヤジ”と呼ぶ者もいるという。共に切磋琢磨した時間があったからこそなのかもしれない。

食材の宝庫と言える長野。ここで出会える滋味深い素材を
自分流に仕上げることで、イタリア料理の新しい魅力を創りたい

「この近隣は、とにかく食材が豊富。野菜の味の濃さをはじめ肉類の豊富さなど、このエリアの食材を十分に活かして、ここでしか味わえないイタリア料理を目指します」。
得意の生パスタには、信州ならではの蕎麦粉を練り込むなど、シェフ前田らしい新しい試みがあり、常時4〜6種類のパスタからお好みのものを選べるという。さらに、高原野菜や豊富な畜産物などの長野の食材、そしてローカルのワインなども念頭に置いた新しいレストラン体験が生まれるはずだ。

Epilogue


「ご宿泊いただいたお客様は、1階のフランス料理とここ5階のイタリア料理とどちらもお楽しみいただければと思い、御代田の魅力を食で伝えられるよう頑張ります」。
その言葉通り、ひらまつならではの華麗な皿が明るいレストランの中で映えることは間違いない。

TEXT: Y.Nag
PHOTO: M.Nagao

ディナーコースの一品から、「花ズッキーニ / 岩魚」

ディナーコースの一品から、「天龍鮎 / ゴルゴンゾーラ」

アラカルトメニューの一品から、「仔羊 / カチャトーラ」

About the Chef

前田 祐介
Yusuke Maeda

1984年生まれ。石川県出身。地元金沢のイタリア料理店を経て、2011年「ひらまつ」入社。「アルジェント」などで経験を積み「THE HIRAMATSU HOTELS & RESORTS 仙石原」でオープニングスタッフ、ス―シェフとして活躍。「リストランテ ASO」を経て、2022年より「THE HIRAMATSU 軽井沢 御代田」イタリア料理シェフに着任。食材の魅力を引き出し、長野という地を表すような一皿を創っていきたいと、日々料理に向き合う。