Team Hiramatsuひらまつの仕事と人

ひらまつを支える人たちの
チャレンジ

Chef Pâtissier

吉田 昇平

デザートはコースのエンディングを飾るだけでなく、
いつかは目的にさえなって欲しい
パティシエ吉田の挑戦が続いていく

六本木のレストラン「フィリップ・ミル 東京」のケーキはアニバーサリーの人気メニューとして多くのインスタグラムにも登場している。そのケーキを生み出しているのが、ここのシェフパティシエ吉田だ。彼のデザートに対する想いはどこから生まれてくるのだろうか。

「フィリップ・ミルシェフ本人とのやりとりを続けることで、レストランでのデザートが持つ役割というものが深く理解できるようになりました」。
新しいコースが決まれば、デザートもミルシェフへ自ら提案するという。そこに彼からの細かい指摘や変更の指示がくることも。
「もちろん、これで良いと褒められることもありますよ(笑)」。
このやり取りを続けることで、パティシエ吉田はレストランのコースのエンディングを飾る役割を担うデザートを見事に昇華させる。

どこまでもモノづくりへのこだわりを忘れないこと

「フランス発祥の有名ブランドのパーティがありました。そのブランドのスタッフたちの妥協のなさ、ブランドの意図を汲みながら世界観を作り上げていく姿勢に驚き、感銘を受けました。自分もそうやって「フィリップ・ミル 東京」の世界観を作り上げていかなければならないんだと思い、当店の中村シェフやフィリップ・ミルシェフとともにモノづくりに挑んでいます」。

レストランのパティシエとして勤める前はパティスリー(洋菓子店)で修行も行っていただけに、デザートとしてのオリジナリティを追求したいという思いもあるという。
「そうですね、自分らしさをようやく出せるようになってきたとは思うのですが、パティシエ吉田としての名品を作り出したいという野望(笑)はあります。その一環というわけではないのですが、当店でお出ししている<シャンパンショコラ>も好評をいただいています」。

Epilogue


シャンパンの香りに包まれたなめらかか口溶けのショコラは、季節ごとにシャンパンを変えるなど様々な工夫を施し、テイクアウトとして人気を博している。
「もちろん<シャンパンショコラ>だけでなく、季節ごとのフルーツを生かしたデザートにも自分らしさを盛り込んでいきたいと思っています。シーズンごとの一皿を楽しみにお越しいただけるように頑張りたいと思っています」。

既に、今年のクリスマスに向けたメニュー開発や新しいチャレンジも始まっている。デザートを楽しみに足繁く通う。そんなレストランとの新しいつき合い方が生まれるかもしれない。

TEXT: Y.Nag
PHOTO: M.Nagao

Sélection du Chef
シェフからのおすすめデザート

Comme une Pavlova marmelade et sorbet de griottes, crème de fromage blanc à l’aneth, gelée de griotte au kirsch
アメリカンチェリーのマルムラードとソルベ・フロマージュブランのクリーム ディルとキルシュの香り パヴロバ仕立て

Souvenir d’enfance d’une Forêt noire Mousse au chocolat, coulis et sorbet griotte
ショコラノアール ビオのムース グリオットのソルベ フォレノワール仕立て

About the Patissier

吉田 昇平
Shohei Yoshida

1986年生まれ。大阪府大阪市出身。西洋美術や文化に憧れ、パティシエの道へ。2005年、大阪で修業を開始し、2009年より東京・自由が丘の名店「パティスリー・パリセヴェイユ」でフランス菓子作りをはじめ、モノづくりにおける概念等を学びながら、研鑽を重ねる。2017年、株式会社ひらまつ入社。大阪・中之島の「ラ・フェット ひらまつ」での勤務後、2019年、東京・六本木の「フィリップ・ミル 東京」 のシェフパティシエに就任、現在に至る。デザートは自身を映す鏡であるという信念のもと、日々新たな食材研究とともにデザートの無限の可能性を模索しながら、後進育成にも励む。