ひらまつの仕事と人
ひらまつを支える人たちの
チャレンジ
Chef
藤久 周悟
ポール・ボキューズ直系と言ってもいいかもしれない。
その料理の真髄を金沢という空気感を纏ったフレンチへと昇華させる。
シェフ藤久は、この地で新しいレストラン時間を創造する。
Jardin=ジャルダンとは庭園を意味するが如く。金沢というよりも能登全体から集められた多種多様な野菜たち。その力強い味わいを生かしながら、さらにボキューズ氏直伝のフランス料理のテクニックで仕上げる。Jardin Paul Bocuseのシェフ藤久の料理の根底に流れるのは、ボキューズ氏をはじめ、これまで自分を育ててくれた先輩シェフたちへの絶大なるオマージュ。その想いが色濃く添えられている。
「ボキューズらしさを変えずに、その土地らしさ、少し自分らしさを加味してみるようにしています。特にこの金沢は歴史ある街だけに、土地の持つ雰囲気というのがしっかりとあるのを感じます。それ以上に四季の移り変わりがとてもはっきりとしているので、食材にもその季節を反映させつつ、ほんの少しの僕らしさも楽しんでもらいたいと考えています」
テイクアウトだからこそより楽しく
そのイメージソースはジャルダン=庭園
能登島の七尾市は野菜の宝庫として知られている。
「そこから直送される野菜たちは本当に力強くて、その美味しさを知ってほしい。その想いからも店名の由来でもある“ジャルダン=庭園”をテーマに、野菜を楽しんでもらえるメニューを考えました」
リピーターが止まないというサラダの美味しさは特筆すべきものがある。正統的なポール・ボキューズの美味しさを失うことなく、絶妙な掛け合いで地元食材を使い機微に触れる味わいを生み出している。その妙味は、一口運ぶごとに金沢の風景にさえ溶け込みそうな見事さだ。
「テイクアウトなだけに、冷めても美味しいし、外で食べていても華やかであって欲しいという、自分の欲張りな想いでこうなったんです。とにかく、ちょっとやりすぎるくらいが楽しいし、食べる方々に驚いてもらったり、笑顔になっていただくことが何より嬉しいです」
藤久のその言葉通りに、単品で注文できるバゲットサンドは、その具材の量に驚くほどだ。
Epilogue
Jardin Paul Bocuseは、旧石川県庁舎をリニューアルした「しいのき迎賓館」にある。クラシックな前面とガラス張りのモダンな金沢城の石垣に面した裏側という二つの顔を持つ名建築。その佇まい同様に、藤久シェフの料理はポール・ボキューズの伝統をしっかりと通奏低音として持ちながら、金沢独特のモダニズムが加わったかのようだ。古都とシェフのテクニックに加えて密かな遊び心が加わった料理たちは、新しいレストラン時間となってこの街の中に、ゆっくりと広がっていくのだろう。
TEXT: Y.Nag
PHOTO: M.Sato
テイクアウトコース:
菜園からお届けする伝統の赤ワイン煮セット
【スープ】季節野菜のスープやポタージュ
【サラダ】本日の旬サラダ
【お肉料理】国産牛頬肉の赤ワイン煮込み 旬の能登野菜添え バゲット付き
【デザート】旬のスペシャルデザート
※単品でも購入いただけます。
※食材の時期により、料理の内容を変更する場合がございます。
華やかな顔を持ちながら、
どこか落ち着いた味わいがあるテイクアウトコースの料理たち。
Casse-croûte(フランス風バゲットサンド)
季節のお肉やフランス産チーズのカスクルート
見た目もそのボリュームも味も誰もが満足する美味しさ。
※全てのテイクアウト商品は「カフェ&ブラッスリー ポール・ボキューズ」(しいのき迎賓館1F)にてお渡しします。
About the Chef
藤久 周悟
Shugo Fujihisa
1974年、埼玉県生まれ。20歳で料理人を志し、2002年渡仏。各地の星付きレストランで修行し帰国後の2004年「株式会社ひらまつ」入社。【ル・バエレンタル】を経て、2010年金沢の【ジャルダン ポール・ボキューズ】へ。スーシェフを経て、2012年料理長就任。ポール・ボキューズ氏の完成されたフランス料理のテクニックを駆使しながら、独自の金沢でしか出会えないフレンチを目指している。