Special #11

また行きたくなる和やかな空気感を創り出す
キャラクターを存分に発揮する逸材

入社7年目を迎えた田中紗樹は、ここレストランひらまつ レゼルヴでサービス業務の要の一人として重要な役割を担っている。
「サービススタッフとしての仕事の中で、大好きなワインの知識を蓄積し、ソムリエという役割の中でサービスの質をもっと高めていきたいと考えています」。
そう語る田中の目には将来ビジョンが映し出されている。

「私自身は、ブライダルの専門学校を卒業してひらまつに入社。レストランひらまつ レゼルヴのウエディング部門への配属でしたが、当店がすぐに改装期間に入りイタリア料理の代官山ASO チェレステ 二子玉川店で働きました。その時にお客様と直接色々とお話ができるサービスに興味が出て、今の仕事へと向かうことになりました」。
実際の仕事の中で見つけ出した、自分らしい働き方がここにはある。
「大袈裟ですがサービスを極めようと考えると、お客様との会話で重要なワインの知識をもっともっと増やしたいというのが、今の私のモチベーションになっています」。
支配人の坂元も田中の働きには太鼓判を押す。「田中の笑顔がとにかくレストランの雰囲気作りに貢献してくれています。お客さまから“サキちゃん”と声をかけられるくらい親しまれているのには驚きです」。
明るい田中の雰囲気が光あふれるレストランの空間をさらに輝かせている。

ワインから始まるお客様との会話を楽しむ

「いつの間にかサービスの先輩的なポジションになっていました」。
自ら志願したサービスという仕事。さらにお客さまとの接点を深めるために、ワインの勉強も深めたいと考えているという。
「この会社には色々なポジションの仕事があって、今はサービスマンとしてのスキルを磨くことが課題ですが、他にもホテルや日本料理など、自分には未知の分野もあって、絞りきれないくらいですね」。
とは言え、お客さまとの会話で重要なポイントとなるワインの提案には自信があるようだ。
「その日の料理の内容をシェフから教えていただき、さらにお客さまのお好きなワインの傾向を考えながらお薦めするというのは、ドキドキします。ただ喜んでいただけた時には、やった！という気持ちになれるので楽しんでいます」。
日々の業務の中で積み上げていく中で、お客さまとのつながりを深めるための一つとしてのワインも重要だと考えている。
田中紗樹が目指す新しいサービスのあり方とは、コミュニケーション業務と呼んでもいいかもしれない。

Epilogue

支配人と共にスーツでサービス業務を行う田中紗樹。その颯爽としつつ人懐っこい笑顔は、どんな場面でもお客さまとのつながりとして残っていくだろうと感じた。

※撮影の演出上、手袋やマスクは外しております。

TEXT: Y.Nag
PHOTO: M.Nagao

【田中紗樹おすすめのワイン3本】

2009 Réserve de la Comtesse
メドック格付け2級のピション・ラランドが手掛けるセカンドラベルで、とても上品でエレガントなタンニンを持つワイン。気を張らずに飲めるのにとても品質が高く、一口飲んだ時からファンになった1本。

2010 Hermitage Farconnet Jean Louis Chave Selection
シラー好きの田中が選ぶシラー100%のワイン。個性的な味わい且つ凝縮感のある味わいが鹿肉などのジビエにぴったりです。瑞々しい野菜のような味わいとスパイシーな余韻が癖になります。

2002　Pinot Gris 13ème Génération Trimbach
平均樹齢が32年の葡萄を使って生産された13世代のピノグリ。2002年の物は程よい酸もあり、秋のフルーツや優しい味わいの国産チーズと併せて飲みたい逸品です。